2012年10月4日木曜日

TPPとデフレ脱却、そして脱原発

TPPどうするのって議論は地味に続いているが、輸出産業を中心に参加の方向へ押しきろうという雰囲気。
一方で、デフレ脱却は政府の重要課題だとか。
この二つって、両立するんだろうか。
簡単な思考実験をしてみる。

【輸入企業】
輸入原価100円の商品に20%の関税がかかっているとする。
販売会社は、原価率50%で販売したいと考えている場合、仕入価格120円に対して販売価格240円。粗利は120円だ。
一方、関税が0となった場合、仕入価格100円に対して販売価格200円。粗利は100円。しかもこの場合、政府の税収20円が0になる。
関税が0になる事によって、失われる収入は40円。
いや、安くなれば消費者にやさしいじゃないとか、たくさん売れるんじゃ?って意見はあると思うけど、あなたは安いからって余計に買いますか?
しかも輸入企業の利益が減少した分、どこにしわ寄せがいくかと言えば、仕入先や従業員に決まっている。
購入価格は安くても、収入も少ないって、まさしくデフレ的状況じゃないだろうか。

【輸出企業】
輸出原価100円の商品に20%の関税がかかっているとする。
販売会社は、原価率50%で販売したいと考えている場合、仕入価格120円に対して販売価格240円。粗利は120円だけど、輸出会社に入るのは100円。
一方、関税が0となった場合、仕入価格100円に対して販売価格200円。同じく輸入会社に入るのは100円。
この場合、輸出相手国が全ての国に同一の関税をかけていれば輸出会社も何も言わないんだろうけど、国によって関税率が違うから、他国より劣った条件では勝負にならないって言うのは、分る。

さて、このような状況でどうするべきなのか。
関税権を行使しない、また選択的に行使するってのは、純粋に政治的手段。
経済的に関税をかけないのが自由主義っていう意見は、ちょっと幼すぎる。
経済状況が違う所で統一ルールを導入するというのは、格差の拡大を助長するだろうし、その格差を固定化する事になる。経済的帝国主義じゃないだろうか。
しかし、輸出企業は利益を確保するために、それを求めている。
TPPに参加すればデフレから脱却するどころか、更に進行するのは間違いないだろうね。

これと似た構造なのが原発問題だと思う。
原発なんて無い方が良いのは、当たり前。
なぜなら、原発から出る放射性廃棄物の処理方法は無いし、その放射性廃棄物は人間の生命を簡単に奪うもの。
発電すればするほど、それが増えて行くわけで。
それが分っていて止められないのは、それを製造販売している企業の利益。その企業から献金を受けている国の圧力だろうけど。
経済3団体が言っている発電コスト云々は、3.11を経験した今言うかって話。
原発の原価っていってるのは、最終コストまで含まない。企業が営業総利益の段階で配当をしているようなレベルだって分ったでしょう?
電気料金が安いって、現在もリスクをしょった上に、生命の安全というツケを将来に回しているだけじゃない。
原発産業は、1国の問題ではないから、脱原発は簡単な問題ではない。

TPPにしても、原発問題にしても企業の利益が優先されるのは避けられない所なんだと思う、今までは。
そこでどうするのかっていうのが、今のぼくらの課題だね。

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