2011年9月26日月曜日

現在進行中の経済危機に思う4

4.解決策のイントロダクション
どうすれば経済危機を脱することが出きるかと言えば、とりあえず”みんなで豊かになる”という、主体のはっきりしない理想を捨てる事だろう。
豊かってのは、それぞれに違うわけだから、それは自己実現の範疇。ただし、それを援助する最低限の仕組みは必要。
今は、働き方を含め、経済のパラダイムが大きく変わろうとしている時期なんだと思う。
そんな時だから今までの暮らしを振り返り、今ぼくたちは”誰にとって”の、”どういう豊かさ”を求めるかという事を冷静に考えなければならない。

働くという行為は、その結果得られる収入はその行為の種類や質によって異なる。
ただ、その働く機会や量を増やすことができれば得られる収入も増えるだろうという考え方がある。
金融のようにグローバル化して、現在限られている市場が広がれば商機が広がるというのは理屈としては、あり。
ユーロのような市場統合はチャンスだったはず。(それを目指していたのだから)
それがうまくいかなかった事実と、その原因は前述の通り。
そもそも、豊かさってなんだろう。世界中同じ物差しで測れるものだろうか。
腕のいいギリシャ人の漁師の話というのを何かで読んだけど、その通りなんだろう。
同一の価値観を押しつけたって、考え方が異なれば意味はない。

※腕のいいギリシャ人漁師の話:家族とのんびり暮らしている腕のいいギリシャ人漁師のところへ商社マンがやってきて「あなたの捕った魚を全部買いましょう。いっそのこと会社組織にして漁船を増やしたらいいじゃないですか。そうすればあなたも私たちもお金持ちになれるし」って言う。
ギリシャ人の漁師は「お金持ちになるとどうなるんだ」と訊くと、商社マンは「家族とのんびり暮らせるじゃないですか」と答える。
漁師は「それじゃ今と変わらないじゃないか」と答えるというお話。

じゃあ、とりあえずどうするのか。
という前に、もう一度何で経済危機なのか、何が経済危機なのか。

よく長引く不況で失業率が高止まりしているっていう。
だけど、それは完全雇用前提の考え方で、今の経済じゃ雇用は完全雇用は無理っていう考え方が正解だと思う。
例えばITの普及で、音楽や映像、ニュースなど電子化可能なコンテンツは物流を通さず流通するようになった。
その時点で、それらを配送していた倉庫や物流・配送、それを売っていた小売りの仕事はなくなる。
それに見合う雇用が生まれるかといえば、IT化の売りは省力化でもあるわけだから、雇用なんて生まれる余地は少ない。
タンカーなんて、あんな大きな船で10人も乗ってないとかあるらしいし。
企業は利益の最大化が目的だから、ITに置き換えられる所は、積極的にIT化して行くわけで、そこでも人員が削減される。
当然、働く場が少なくなるから失業率は下がらない労働力過剰の状態。
労働力過剰の市場では賃金は上がらないし、下手すりゃ下がる。
全体の所得水準が下がるから、消費も落ち込む。
消費財は高ければ売れなくなるから、企業に値下げ圧力がかかる。
企業は、さらにコストダウンに励む。
というループが基本。
一方、政府の今までの考えでは、国民生活の保護という観点から生活保護やら社会保障やらの支出が増大し、一方で税収も落ち込むから、当面足りないものは国債でってことになる。
しかし、このループは構造的なものだから、簡単に税収なんてよくならない。
公共事業でどうにかしようたって、その効果は一時的。
で、どんどん国債発行残高が増えて、財政危機の到来。
国の財政が危なければ、その国の企業もヤバかろうっていうことで株も売られる。
株価ってのはその企業の信用だから、信用がなくなるということは、取引や資金調達に支障を来たす。
で、経済危機だって話・・・がIT不況説。
何にしても金だよねって事で、金融業界は破綻しかかっても政府が助けてくれてって前例があるけど、国が沈没すれば一蓮托生。

この説が正しければ、政府の出来ることは多くない。
雇用の創出と社会システムの安定。
それに向かって、どのような政策を採ってゆくのかだ。

現在進行中の経済危機に思う3

3.危機を煽っているもの
ある意味、経済危機って煽っているのは金融の危機があるわけで。自分らが作ったルールを制御しきれないで、またリーマン危機の時のように周りに迷惑かけてる。
投資ファンドによっては経済政策の隙間を突いて利益を上げるという側面がある。
制度というのは、社会の参加者が暗黙のルールを守ることで円滑に機能する。ファンドの手法は、暗黙という事は書いてないからやって良いという立場をとる。
それが経済混乱に拍車をかけている。
今やるべき事は、金融システムのルールをモラルあるものに変え、人がシステムを制御できるようにすることだと思う。

金融トレーダーの中には、40歳までに稼ぐだけ稼いで、あとはリタイヤして人生をエンジョイするなんて目標の人もいるらしい。金融業界の隆盛は、グローバル化と金融工学の結果ということになっているけど、それはこのような事態を引き起こさないための安全弁となっていた”人が社会生活を営む上のモラル”を破壊して得たもの。
交換手段のツールであるキャッシュを投資の対象として扱うのは、その存在理由を考えればルール違反じゃないだろか。
キャッシュは食べられないし、着ることも、乗ることもできない。

一時、イギリスが金融立国を目指すって事を言っていたけど、今必要な金融改革には、金融で国が成り立つって、不自然だという考え方に立つ必要がある。
そもそも金融立国って、雇用はどう考えるんだろうって疑問がある。(現に、今あの国の失業率は10%を越えている。)
だって、お金がお金を生んだって、何も生産してないじゃない。それは今のイギリスの失業率とは無関係ではないはず。
金融は、それ自体では何も生産しない=雇用を生まない。
特に投機の手段としての先物取り引き、株式の空売りなんかは人倫に悖ると思う。
今回、EUが銀行株の空売り規制をかけた。
確かにこれまで一般に認められてきた商取引で、EUのコメントは、空売りは正当な商取引だけどって言っている。
それなら規制をかけるのは不当な行為にならないのかな。
市場を守るための措置が必要って事は、それは市場を乱す行為って事だよね。
市場は、人が生活する上で必要な財を交換する場で、その安定は守られなければならない。
これは、明文化する以前。人として当たり前の事じゃないのか。

アジア通貨危機の際も、投資ファンドが通貨売り浴びせという手法で利益を上げ、アジア諸国の経済にダメージを与えたけど、それなんかも取り引きは実需に限るとすれば、抑えることができる。
もっとも、実需に限るとすれば、アジアのバブルもなかったし、経済成長は、もっと緩やかなものになっただろうけど。
この辺が、経済成長を目指すという行為の落とし穴だ。

投機なんて、スーパーコンピューターや最新の数学理論に基づいて予測していますたって、所詮ギャンブルの仲間。
それを経済活動と認めるかどうか。
まあ、ギャンブルを経済活動の一環として組み込んでいる今のルールでは、経済危機なんて、いつだって起こり得ると自分は思うけど。
問題は、現実問題として金融ルールの変更なんてできないだろうと言う事と、出来ても取引の安定性を高めるための本来の用途、実需としての取り引きかどうかの見極めが出来るのかという事。

現在進行中の経済危機に思う2

2ー1.経済危機の原因~ヨーロッパの場合
現在、ヨーロッパで起こっている経済危機は、通貨統合の失敗の影響が大きいと思う。
経済のレベル(求めることが出きる現実)が異なる国が、同一の通貨を使用することにより同一の経済圏となった。一方で、各国の労働の対価が異なるし、産業の持つ体力も違う。それなのに独自の通貨政策ができないう現実にぶちあたった果ての現象だと思う。
例えば、以前ならばこちらの小麦は10フラン、同じ小麦が8マルクで、通貨レートをかませて、関税がかかって・・・とやっていたものが、こちらの小麦は10ユーロ、あちらの小麦は8ユーロって、ストレートになった。
本来、同一通貨による同一経済圏を目指すなら、政治も国という単位に囚われるべきではないが、国や政府という単位が残っているため、そうはならない。
ギリシャ国債のデフォルト危機も、ドイツは自分で努力しろって言ってるけど、市場は共通、経済対策は独自ってのは無理があるよね。
通貨は同じユーロだから、ギリシャにデフォルトされたら通貨の信用が落ちて・・・ああ、でもドイツはユーロが下落すれば輸出産業が潤うのか、みたいに思えるけど。
じゃあ、ギリシャ国債をデフォルトさせてみよう。
すると、ユーロ圏の国の資金調達コストが上がり、経済規模より国債発行残高が多い国なんかは次々と利払いが苦しくなる。
それが、スペイン、ポルトガル、イタリアあたり。
じゃあ、そいつらもデフォルトだ・・・ってやっていくと、ユーロ通貨、全く信用できないじゃんって事で、ユーロの資金調達コストがどんどん高くなる。ユーロ建取り引きは行われなくなって、通貨としての存在価値がなくなるということ。
結局、他の国はギリシャを救済しなければならない。
話に聞くと、ドイツ人と比べて本当に働かないらしいねギリシャ人。
働かないで破綻しかかっている人間を、一生懸命に働いている人間が救済しなければならないってのも切ない。
じゃあ、なんでユーロだったのかと言えば、経済圏を統合して、みんなで豊になろうって事だった。
でも、みんなで豊にってのは、地域性や国民性、価値観もあるし、なかなか難しかったねって事。
そういうのを見越してか、国民性のせいか、分からないけど、イギリスとスイスは参加してないし。
イギリスの経済危機は、これとは別にある今の経済システムとビミョ~な政策目標の結果だと思うから別に述べる。

2ー2.経済危機の原因~アメリカの場合
アメリカは結局、中途半端に戦争にのめり込みすぎたんだと思う。
景気が悪くなったら戦争をしろみたいな風潮が第二次世界大戦くらいまであった感じだけど、それはそれで道義的にはともかく確かに内需の拡大と雇用の創出になる。
だけど、それ以降のアメリカの戦争は勝ったところで領土が増えるわけでもなし、同盟国へモノを売れるわけでもない。挙げ句負けたり、勝ち負けがはっきりしなかったり。
つまり、お金は使い、人は失ったけど実入りはなかったって事。
その間に中国がせっせと途上国に入り込んで利権をかっさらっていき、アメリカの権威もどんどん落ちる。
で、今やアメリカはイスラムの敵って・・・イスラム教の国、結構多いんだよね。
戦争をやめても、海外に展開した兵士の行き先や、働く場所の確保、イスラム諸国の潜在的な不信感とか。なんか、とっても前途多難だ。

2ー3.経済危機の原因~日本の場合
日本の経済モデルは世界で一番成功しているんじゃ?って人もいる。
不況だ何だ言っても、失業率は高くて6%以内。先進国の中ではダントツの低さ。社会保障も、とりあえずある。経済競争力も何とか保ってる。

何が問題かと言えば、高い国債発行残高。
何でそんなに発行残高が膨らんだのかと言えば、景気対策とかあんだろうなぁ。
普通、国債の発行残高が増えれば、利息支払や元本償還により政府財政が圧迫され、財政不安から調達金利も上がる傾向があるため、経済のマイナス要因とされるけど、日本の場合、購入してる多くが国内の金融機関で、預金残高が高水準なところから、投資家からは主要なリスクとは見なされていない。
国民として、一番のリスクは政治と言いたいところだが、国民は自分のレベル以上の政治家はもてない(だって、自分たちの中で選ぶんだからね)という事もある。励め・・・。

軽口は抜きにして、この安定性が逆に世界から投資資金の安全な逃避先として人気を集めて円高となり、輸出産業にダメージを与えて、産業の空洞化ってここ20年くらい言われている不安がある。

現在進行中の経済危機に思う1

1.経済危機?
現在、欧米で経済危機だって言われていて、その早急な対策が求められている。
日本だって、空前の円高基調と原発事故とその処理、及びその影響による電源問題で大ピンチだ。
経済危機への対応はケースバイケース。
今度の対応のポイントは、経済成長のとらえ方だと思う。

日本政府は、相変わらず経済成長を目指しますって言ってる。反対されることはないけど、問題は何によってという事なんだ。
経済成長って、GDPの増減で計られる。GDPは国内企業の生み出す富の総和だけど、それが実需に基づいた実体のあるものなのか。そこに十分な雇用を生み出す下地があるのかが大事。
雇用のない経済成長だってあるけど、それは社会の安定をもたらさない。いや、働かないで生活不安がないのなら、それはそれでいいけど、そんな結構な話は、そうは無いわけで。
この経済危機を脱出するには、実需と雇用いう言葉がキーワードになるだろう。
自分は、金融セクターが生み出す富なんてインチキだし、今の危機はの根元は、そのインチキが作り出したものだと思っている。