2012年9月2日日曜日

不況?それとも


何で不況・不況といいながらなんで有効な対策がとられないのか。有効な対策なんてないのか。そもそも、不況なんだろうか。

不況だの格差拡大だの、いろんな事が言われているけど、なんでその状態が放置されているんだろう。
放置されてないって?
いや、しかし何の改善もされないと言うのは、放置しているのと大差ないんじゃないだろうか。
もちろん、政府はいろんな対策を打っている(ように見える)。
その対策が有効にならないのは、経済のグローバル化というのが大きな要因だろう。
一国の政府の政策は他国には及ばないし、多様な貿易は社会情勢や気候という不安定要素を含んで存在している。
そういう国外のアンコトローラブルな要因に、国内の少子高齢化による将来の生産性への不安と社会保障費増大の問題。
問題は山積みっていうけど、本当にそれだけなんだろうか。

通貨と経済統合を行った結果、本来、国が打てるはずの経済対策のツールの多くが無効化されてしまったユーロの苦闘を見ていると、他の世界も通貨統合していないだけでにたような状況に陥っているんだという事が感じられる。
国というのは、同じ文化を共有し、生活する人たちの単位で、国によって様々な価値観やスタイルが存在する。
国には、そこに暮らす人たちの生活を守る事が求められるが、一方グローバル化した経済はその仕組みをできるだけなくして自由に振る舞える事を求めている。
ん?本当に自由に振る舞う事を求めているんだろうか。

アメリカのノーベル賞受賞経済学者で、どちらかと言えば米政府とはあんまりしっくりいっていないポール・クルーグマンは、経済に与えるインパクトとしてニューディール政策規模の財政出動を行えば、今の不況は払拭できるはずという論を展開している。
また、不況により失われる将来の成長可能性についても心を痛めると共に、危惧している。
失業による低所得で、受けられるべき教育が受けられない。
国家財政の健全化というが、アメリカでは国家財政が赤字でも経済に与える影響はないという数字を挙げて、十分な財政出動を行うべきだ、と。
そりゃそうだ。財政が赤字で国がヤバいなんて事になったら、経済の根本から見直さなきゃならない。
だから財政健全化するんだと言っても、成長エンジンがないだよね、今のアメリカには。
個人的には、個人の幸福には経済成長が必須なのか?という疑問があるけど、多くの人が前提として語っているそれを受け入れて考えるに、アメリカがつぶれるなんて思っている人はいない。従って、財政赤字なんてぜんぜん問題ないだろって思う。
それは、日本でも同じ。
安定した経済基盤を持っている国であれば、赤字財政で国の信任を失うと言うことは考えにくいからね。
かい摘んでいうと、借金をしても返済が滞らないうちは財を生産しているわけだし、むしろ経済対策を怠ることによって失業率の上昇、生活レベルの低下、教育機会の消失によって将来の経済成長の芽を摘み、経済基盤を失わせるきっかけを作る方が愚かな政策だろうというのがクルーグマンの主張。

この場合、経済成長=税収増が前提として語られるわけだけど、法人、個人共に所得税減税という圧力はかかるし、貿易自由化の協定が進めば関税収入もなくなる。
そういう世界では、財政赤字の解消は期待できない可能性が高いし、財政赤字が膨らめば、金利の支払いに圧迫されて、実効性の高い財政予算が組めなくなる。
まして、デフレ状態では所得の伸びも少なく、下手すればマイナスで、どんどん金利の負担が重くなる。
経済成長=税収増という考え方は、経済成長=緩やかなインフレという考え方とセットだったりもする。
そこで、インフレターゲットという話がでてくるわけだが。

ITや金融は、雇用をもたらさない。
労働はグローバルという言葉の下に下位統合されてゆくから、均一な世界が実現されない限りにおいて賃金が上がることは期待できない。
一方、そうして賃金が抑えられた社会で挙げられて生み出された富は、富裕層に蓄積されていくか、投機家の間を回るし、投資家を保護しなきゃ産業の育成が出来ないと言って、行政に投資課税をしないよう圧力をかける。
自由貿易を拡大する結果として、関税収入も落ち込むため、税収は消費税で補おうとするのが今の流れだが、所得から税金を取らず、支出から取れば、貧しい人はより貧しくなる。

財政は、所得の再分配機能を持つが、そもそも社会保障政策を必要としている側から税収を補おうという発想は、貧富の差の拡大を助長する・・・と。
所得補償すればいいという議論があるが、そんなマッチポンプな考えはやめた方がよい。所得補償を行うためのコストは、誰が負担するというのか。
そもそも、それは根本的な対策になり得ないのは明らかだろう。

その世界で、自分たちになにが出来るのか。
理論だけで言えば、こうすればいいってのはいくらでも言えるが、今の社会の仕組みがそれを許さないと言うのはわかる。
とりあえず、今の問題を引き起こしているのは、社会全体のモラルの低下と人を思いやる気持ちの欠落であるということを地道に指摘していくしかないんだろうなと思う。

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